6号

A-WASS通信 6号(平成27年1月6日)の概要

  • 全国木のまちサミットの開催:多田裕一(住田町林政課 課長補佐):11 月21 日(金)~22 日(土)の2 日間、岩手県住田町(すみたちょう)において、第1 回となる「われら木のまち・全国木のまちサミット」を開催いたしました。
    サミットには、北は北海道から南は九州大分県まで、全国各地より市町村や林業関係者ら約150 名の方々がお見えになり、地域材の有効活用等について議論を深めました。・・「木造役場庁舎の建設」「東日本震災応急仮設住宅の建築」「サミット開催のきっかけ」「木のまちサミットの概要」「サミット開催のポイント」他

    「われら木のまち」宣言
    我々、「全国木のまちサミット」に参加し又は参加を呼びかけた全国の市町村は、充実しつつあるわが国の森林資源を有効に活用することが、森林の有する多面的機能の持続的な発揮はもとより、林業・木材産業の成長産業化を図り、地方創生を実現する上で喫緊の課題であることを強く認識し、木材利用すなわち「木のまち」づくりの輪が全国津々浦々に広がることを願って、国、都道府県、各種事業者や活動団体等とも協力し、以下の取り組みを積極的に進める。

    一、木材利用の輪を全国に広げるため、「木のまち」を自認する我々が先頭に立って、「公共建築物等木材利用促進法」に基づく市町村方針を策定・公表すること等を通じ、地域における木材利用の促進を図ること。
    一、その際、庁舎などの大型建築物に木材を利用する場合は、適期の木材調達の難しさなど鉄筋コンクリート等とは異なるさまざまな課題があることを理解し、林業・木材産業を含む幅広い関係者との相互理解と合意形成を通じてそれらの課題の解決に真摯に取り組むこと。
    一、都市部の市町村における木材利用の取り組みが広がるよう、山村部の市町村と都市部の市町村の間の連携を深めること。
    一、木材の利用がもたらす多面的な効果・効用等について、自らが良く理解するとともに国民・住民に対し分かりやすく説得力のある説明に努めること。とりわけ、次代を担う子どもや青年層に対する「木育」や森林環境教育を推進すること。
    一、地域の森林資源を持続的かつ効率的に活用するため、「市町村森林整備計画」において森林の保全整備や活用のビジョンを明確にするとともに、森林組合等とも協力して、森林施業の集約化や林内路網の整備、森林管理に関わる人材の育成などに取り組むこと。
    一、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、国産材を利用した施設で日本の高い技術力、木の伝統・文化など「木づかい」による日本らしさを世界にアピールするため、木材の供給体制の整備に努めること。

    以上、宣言する。
    平成26年11月21日岩手県住田町にて
    「全国木のまちサミット」参加市町村及び呼びかけ市町村

  • 「住田町長から」多田欣一(岩手県住田町長):
    全国木のまちサミット開催のポイントは2つあります。1つは「継続」であります。住田町が単年度の打ち上げ花火的に実施するのではなく、2回目3回目と全国各地の自治体で開催していただきたいと思っております。それは、理想的には毎年同時期の開催が希望ではありますが、たとえ隔年や不定期であっても続けていただくことが重要だと考えております。もうひとつは「連携」であります。市町村相互の連携から、自治体と民間企業の連携、民間企業とNPO団体との連携、自治体であってもの山村同士から山村と都市の連携、民間企業においても業種の違いを越えての連携を希望するものであります。
    正直、林業は他産業と比較して注目される機会が少ない産業であります。しかし、だからこそ今後の成長が期待される産業でもあります。政府の「地方創生」のご支援をいただきつつ森林・林業日本一の町づくりを進めていきたいと考えております。
  • 「住田町”木の町サミット”に寄せて」網野禎昭(法政大学教授)、花岡崇一:
    10月4日の会員セミナーで、住田町役場総務課長佐藤栄司さん、林政課長補佐多田裕一さんから「木造庁舎建築の体験」をお聞きしました。住田町は林業―木材産業―住宅などの需要を巧みな連係でつなぎ、岩手県で林業再生のモデルとなる地域です。市有林を活用して木造庁舎を建設した経験は、A-WASSの公共建築の研究と合致するところからお招きしました。
    その折、「木の町サミット」への参加要請をいただき、A-WASS会員・関係者が会の進行役をお引き受けしました。その模様を、一部ご紹介します。
    『木造建築界では住田町新庁舎の先進性がかなりの話題である。このサミット、ともするとこの建物の技術的な話題に飲まれはしないか?との思いもあったのだが、主催者の巧みなるテーマ設定のおかげで、木と地域社会の問題に上手に光が当たるものとなった。これからの社会における木の活用を巡る三テーマ「公共建築」「少子高齢化」「教育」のうち、私は第二テーマのファシリテーターを努めたのだが、「お金も時間もかけず、出来るところから着手する公共建築の木造化が、少子高齢化時代の中山間地域経済の持続性にもつながる」とする埼玉県ときがわ町の関口町長の存在感が光っていた。公共投資による大型の建設事業が木材活用の牽引役となるモデルには人口減少時代における持続性を期待できないとする問題提起と受け取った。地域事業者による軽微な木造化事業を恒常的に継続することを”ときがわモデル”として発表された関口町長の姿勢は、まさに社会のダウンサイジング期における中山間地域の経済的自立戦略を模索する姿であり、多くの参加者の共感を呼ぶこととなった。今後の「木のまちサミット」の継続の中で、様々な地域での試論が提示されてゆく中に、少子高齢化時代固有の社会と森林の共生関係が見えてくるはずである。』(網野)
    林産地の首長たちが集い、苦労や成果などの経験を交流しなお一層の努力・工夫を果たすことは林業・林産業の再生におおいに役立つことと考えます。そして、その流れが都市部の首長たちと結びつくことによって日本の山の持続的な活用・育成につながります。そのためには、どんな課題があり、どうすれば克服できるのかA-WASSもともに考え、実践していきます。(花岡)
  • 「45㎥の木材でつくる住宅-低市場価値製材を活用したマッシヴホルツ構法の建築実証」:去る2014年11月13日、富士宮市に建設中の新構法による住宅の見学会が行われ、A-WASSメンバーも含め、全国各地から80名が集まった。この構法は、市場に流通しない欠点材を大量に活用して壁や床、屋根をつくる面構造であり、国産材活用の新機軸として期待される。以下、設計者の網野禎昭氏(法政大学デザイン工学部教授A-WASS 副会長)の寄稿である。・・「木の塊に住まう」「A-WASSから生まれた構法」「CLTのカウンターウェイトとして」「一般化への課題」他
  • 二国レポートⅣ:「広葉樹関係の”ロシアでの違法伐採”レポート」


※ダウンロードを希望される方は、「info@a-wass.org」まで連絡ください。

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