「木と建築で創造する共生社会実践研究会」(A-WASS)趣意書
- 森と里とまちをむすぶ持続可能な循環型地域づくりに向けて -

平成19 年度に文部科学省のオープン・リサーチ・センターとして東洋大学に設立された「木と建築で創造する共生社会研究センター」(WASS)は、産・学・官・民の幅広い関係者の参画のもとで「学校建築を主軸とした『木・共生学』の社会システムの構築と実践」をテーマに研究活動を進めました。5 年間にわたる活動を通じ、木の学校づくり、木の建築づくりを進めるための課題を明らかにし、それを実現するための林業・林産業、製材業、建築、教育、行政等にまたがる関係者の分野横断的な「ネットワーク」を構築し、新しい可能性を切り拓いてきました。

この間、平成22 年には「公共建築物等木材利用促進法」が成立するなど、学校をはじめとする大型建築物の木造化・木質化の流れは一気に加速し、WASS の成果もこれら木の建築の現場で活かされるに至っています。

「木と建築で創造する共生社会実践研究会」(A-WASS)は、上記のWASS の理念と成果を継承し、「木の学校づくり、木の建築づくり」を核としながら、その切り口にとどまらず、持続可能な森林資源の活用を通じ、地域に根差す建築・産業・文化の継承、発展を図り、また、木の建築と木質エネルギーを結びつけ、自立的な循環型地域づくりを進めることにより、共生社会の理念の実現に向けて活動することを目的とします。

関連する各分野で創造的に思考し、行動する人々を相互に繋ぐことにより、総合的・実践的な活動を展開していきます。

平成26年2月1日

 

「木と建築で創造する共生社会研究センター」(WASS)の基本的な考え方 【抜粋】

古来、日本人は日常生活の中で五感を通して「木の文化」に接してきました。建築、生活、芸術全般にわたって「木」は衣食住、伝統文化の伝承を支える資源で した。「木」は日本にあって、唯一育成、再生利用できる生物系天然資源です。今日では、循環型社会、地球温暖化防止に向け「木」の植物としてのCO2吸収・固定化機能や国土保全に果たす役割、建築材料としての優れた特性や地域活性化の効果が期待されており、その有効活用手法が求められています。

「学校建築を主軸とした『木・共生学』の社会システムの構築と実践」をテーマに研究を進めています。
その中で建築学、都市工学、環境工学、森林科 学、学校教育、地域行政等の学際的視点と、計画、設計、構造、室内環境、木造技術(大工)、建築生産、教育環境、むらおこし、景観保存、国土保全、地球環 境、文化・技術の継承等、総合的観点から、「木」の効果的活用を推進するための課題に取り組みます。そして、「木」の活用が森林保全、里山維持、地域振 興、地域の建築文化の継承等、生活環境形成、地球環境保全への社会的認識の高揚を促すものとなるよう、WASSの研究事業を通じて社会的実践的な期待に応 えていきたいと考えています。

■WASSの目標

「木 ・共生学」の理念を構築、普及、それを推進するための社会システムの構築と社会実践
「木」を取り巻く様々な分野を横断的な思考で捉え、現在から未来にわたって持続可能な循環型、共生型地域の実現に寄与する建築ものづくりネットワークの提言

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